【中国物権法 各則 (3)担保物権 ・(4)占有 】


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Q1 担保物権について教えてください。

A1 まず、担保物権の概念についてお話しますね。中国の担保物権について教えて!担保物権とは、債務者が履行期限になっても履行しない場合、または当事者が約定した債権が実現する状況にある場合、法に基づき担保財産の弁済を優先的にを受ける権利です。

担保物権とは、債務者が履行期限になっても履行しない場合、または当事者が約定した債権が実現する状況にある場合、法に基づき担保財産の弁済を優先的にを受ける権利です。債権者が貸付、売買などの民事活動において、その債権の実現を保障するために、保証の必要な場合、法律の規定に照らし担保物権を設定することができます。第三者を債務者として債権者へ担保を提供する場合、債務者へ反担保を請求することができます。



Q2 担保物権の設定について教えてください。

A2 担保物権の設定は、本法及びその他法律の規定に基づき担保契約を締結しなければなりません。担保契約は主債権の債務契約の従契約とします。主債権の債務契約が無効の場合、担保契約は無効です。

中国での担保物権の設定について教えてください。ただし法律に別段定めのある場合はこの限りではありません。担保契約の無効が確認された後、債務者、保証人、債権者に誤りがあった場合、その過失に基づき各自相応の民事責任を負わなければなりません。



Q3 担保物権の保証範囲について教えてください。

A3 担保物権の保証範囲は主債権およびその利息、違約金、損害賠償金、保証財産の保管と担保物権の実現費用を含みます。当事者に別段約定のある場合は、約定に従います。保証期間に、担保財産の毀損、消滅または徴用などがあった場合、担保物権者は、保険金、賠償金または補償金などの優先的な弁済を受けることができます。担保とされた債権の履行期限が到来していない場合、当該保険金、賠償金または補償金などを供託することができます。 担保物権の保証範囲はこれくらいかしら?担保物権の保証範囲は主債権およびその利息、違約金、損害賠償金、保証財産の保管と担保物権の実現費用を含むんですよ。



Q4 物の担保と人の担保のどちらが優先しますか?

A4 担保とされた債権に既に物の担保があり、人の担保もある場合、債権者が債務期限の来た債務を履行しない、若しくは当事者が約定した担保物権が実現する状況にある場合、債務者は自身が提供した担保の場合、債権者は当該物の担保の債権を先に実現しければなりません。

第三者が提供した物の担保の場合、債権者は物の担保の債権を実現でき保証人へ保証責任を負うよう請求することができます。担保を提供した第三者が担保責任を負った後、債務者へ補償請求する権利を有します。 物と人の担保、どちらを優先するの?



Q5 担保物権は主債権が消滅した場合、消滅しますか?

A5 主債権が消滅した場合、担保物権が実現した場合、債権者が担保物権を放棄した場合または法律に担保物権の消滅を規定するその他の場合、担保物権は消滅します。 担保債権は主債権が消滅した場合は消えちゃうの?



Q6 まず、代表的な担保物権である抵当権について教えてください。

A6 抵当権とは、担保の目的物を債務者に残したままにしながら、債務不履行の場合には債権者が優先してその者から弁済を受け得る権利のことです。

中国では、抵当権は一般抵当権と最高額抵当権に分けられます。代表的な担保物権である抵当権を教えて!



Q7 一般抵当権とはどのようなものでしょうか?

A7 一般抵当権とは、担保の債務を履行するために、債務者または第三者が財産の占有を移転せず、当該財産を債権者へ抵当とし、債務者が債務の期限到来後も履行しない、若しくは当事者が約定した抵当権が実現する状況にある場合、債権者が優先的に当該財産の弁済を受ける権利です。債務者または第三者を抵当者とする場合、債権者を抵当権者とし、提供された担保財産を抵当財産とします。 一般抵当権とはどんなもの?担保の債務を履行するために、債権者が優先的に財産の弁済を受ける権利ですよ。



Q8 一般抵当権の目的物である抵当財産について教えてください。

A8 債務者または第三者は、
①建築物とその他土地付着物、
②建設用地使用権、
③入札、競売、公開協議などの方法で取得した土地などの土地請負経営権、
④生産設備、原材料、仕掛品、製品、
⑤建造中の建築物、船舶、航空機、
⑥交通運輸手段、
⑦法律、行政法規に抵当を禁止されていないその他財産、
 を抵当として処分することができます。抵当権者はこれらの財産を併せて一括し抵当にできます。
あるだけの財産をまとめて一括抵当にしました~
また、①から③に定める財産、または⑤に定める目下建造中の建築物を抵当とする場合、抵当権設定登録をしなければなりません。抵当権は登録時に設定されたものとみなします。そして、④、⑥に定める財産または、⑤に定める目下建造中の船舶、航空機を抵当とする場合、抵当権は抵当契約の発効時に設定されたものとします。登録を経ていない場合、善意の第三者に対抗してはなりません。

建築物を抵当とする場合、当該建築物の占有範囲内の建設用地使用権も併せて抵当とします。建設用地使用権を抵当とする場合、当該建設用地使用権と地上の建築物も併せて抵当とします。

郷鎮、村の企業の建設用地使用権は、単独で抵当としてはなりません。郷鎮、村の企業の工場建屋などの建築物を抵当とする場合、その占有範囲内の建設用地使用権は併せて一括し抵当とします。



Q9 一般抵当権の禁止物として抵当にしてはならないものはありますか?

A9 下記の財産は一般抵当権の禁止物として、抵当にしてはなりません。抵当にしてはいけないものがあるの?一般抵当権の禁止物としてこれら6項目があります。
①土地所有権
②耕地、宅地、自留地、自留山などの集団所有の土地使用権
 ただし、法律に抵当にすることができると定める場合は、この限りではありません。
③学校、幼稚園、病院など公益を目的とする公共機関、社会団体の教育施設、医療衛生建設と
 その他社会公益施設
④所有権、使用権が不明の場合、若しくは争議のある財産の場合
⑤法律に基づき差押、押収、監督下におかれた財産
⑥法律、行政法規に、抵当としてはならないと定めるその他の財産



Q10 浮動抵当制度について教えてください。

A10 浮動抵当制度とは、債務者である企業、個人経営者、農業生産経営者は、当事者の書面による協議を通じて、現有、及びまもなく有する生産設備、原材料、仕掛品、製品に抵当権を設定することです。浮動抵当制度について教えて~
債務者が債務の期限到来後も履行しない場合、または当事者が約定した抵当権を実現する状況が生じた場合、債権者が抵当権を実現する際の動産の優先的な弁済を受ける権利を有します。

この抵当の特徴は、抵当権が設定される財産には、現有財産のほかに、将来取得する財産も含まれることにあります。すなわち、一般の抵当と異なり、浮動抵当権が設定された後、企業は、依然として、経営上の必要に応じて抵当権が設定された財産を処分することができます。

このため、浮動抵当を設定する場合、抵当権設定者は、その住所のある工商行政管理部門へ登録を届け出なければなりません。抵当権は抵当契約の発効時に設定されたものとみなします。登録を行わない場合、善意の第三者に対抗することはできません。 浮動抵当を設定する場合、抵当権設定者は、その住所のある工商行政管理部門へ登録を届け出をする必要があります。



Q11 抵当権設定の形式について教えてください。

A11 抵当権の設定の場合、当事者は書面の方法で抵当契約を締結しなければなりません。書面で抵当契約を締結するんですよ。抵当権設定には形式があるんだにゃ!
抵当契約は通常、
①被担保債権の種類と金額、
②債務者が債務を履行する期限、
③抵当財産の名称、数量、品質、状況、所在地、所有権の帰属または使用権の帰属、
④担保の範囲に関する条項、を含みます。



Q12 その他、抵当権につき、どのような規定がありますか?

A12 以下のような規定があります。抵当権には、「流質契約の禁止」「抵当財産の貸出」「低当財産の譲渡」の3つの規定があります。
(1)流質契約の禁止
抵当権者は、債務の履行期限満了までに、抵当権設定者と約定した債務者が債務を履行しない際は、


(2)抵当財産の貸出
抵当契約の締結までに、抵当財産を貸出した場合、元の賃貸関係は当該抵当権の影響を受けません。
抵当権の設定以降、抵当財産を貸出す場合、当該賃貸関係は、既に登録済みの抵当権に対抗してはなりません。

(3)抵当財産の譲渡
抵当期間に、抵当権設定者が抵当権者の同意を経て抵当財産を譲渡する場合、譲渡所得の金額を抵当権者へ事前に債務を弁済する、または供託しなければなりません。譲渡価格が債権額を超過する部分は、抵当権設定者に帰属し、不足部分は債務者が返済するものとします。抵当期間に、抵当権設定者は抵当権者の同意を経ずに、抵当財産を譲渡してはなりません。ただし、譲受人が債務の返済の代わりに抵当権を消滅させる場合はこの限りではありません。
抵当権を譲渡する場合は、担保である債権の抵当権もあわせて譲渡するんだって!
 抵当権は債権と分離してはならず、単独で譲渡してもならず、又その他債権の担保としてはなりません。債権を譲渡する場合、担保である当該債権の抵当権も併せて譲渡するものとします。ただし、法律に別段の定めがある場合、または当事者に別の約定がある場合は、この限りではありません。



Q13 抵当財産価値減少の場合の救済措置はありますか?

A13 抵当権設定者の行為が抵当財産の価値を減少させるに十分である場合、抵当権者は、抵当権設定者へその行為を停止するよう要求する権利を有します。

抵当財産の価値が減少した場合、抵当権者は、抵当財産の価値を回復させるよう要求することができ、若しくは減少した価値と相応の補償の提供を要求する権利を有します。抵当権設定者が抵当財産の価値を回復させず、補償も提供しない場合、抵当権者は、債務者へ事前に債務を返済するよう要求する権利を有します。 抵当財産の価値が減少しちゃったの!!救済の措置はありますが・・・。



Q14 抵当権の変更について教えてください。

A14 抵当権者は抵当権または抵当権の優先順位を放棄することができます。抵当権者と抵当権設定者は、抵当権の順位及び担保とされた債権の金額などの内容の変更を協議することができます。ただし、抵当権の変更の場合、その他抵当権者の書面による同意を経なければ、その他抵当権者に対して不利な影響を生じさせてはなりません。

債務者は自身の財産を担保に設定し、抵当権者が当該抵当権、抵当権の順位を放棄する、または、抵当権を変更した場合、その他保証人は、抵当権が喪失した優先償還権の範囲内で、担保責任を免除します。ただし、その他保証人が依然として保証の提供を承諾する場合はこの限りではありません。 抵当権をチェンジしたのだ勝手に人のと交換しないでください。



Q15 抵当権の実現について教えてください。

A15
①抵当財産の換価、競売、売却
債務者が債務の期日が到来しても履行しない場合、若しくは当事者に約定した抵当権の実現の状況が生じた場合、抵当権者は、抵当財産を換価する、または競売、売却した当該抵当財産の所得金額で優先償還するよう、抵当権設定者と協議することができます。

協議がその他債権者の利益に損害を与えた場合、その他債権者は、取消理由を知った日、または知り得た日から1年以内に人民法院へ当該協議の撤回を請求することができます。抵当権者と抵当権設定者が抵当権の実現の方法による協議に達しなかった場合、抵当権者は、人民法院へ、抵当財産を競売、売却するよう請求することができます。抵当財産を換価または売却する場合、市場価格を参照しなければなりません。抵当財産の換価または競売、売却後、その価格が債権金額を超過する部分は、抵当権設定者の所有に帰し、不足部分は債務者が弁済します。 あの星を目指すのだ!抵当権を実現するためには7つ方法があります。

②生産設備・原材料などを抵当財産として設定する場合の抵当財産の確定
当事者の書面による協議を経て、企業、個人経営者、農業生産経営者は、現有、及びまもなく有する生産設備、原材料、仕掛品、製品を抵当財産として設定する場合、抵当財産は次の要件を満たした時から確定します。1債務履行期限が満了し、債権が実現していない場合、2抵当権設定者が破産を宣告された、または取消された場合、3当事者が約定した抵当権の実現する状況、4債権の実現に深刻な影響を及ぼすその他要件。

③抵当財産の差押
債務者が債務期限到来後も履行しない場合、若しくは当事者が約定した抵当権が実現する要件を満たした場合、抵当財産が人民法院により法に基づき差し押さえられるに至った場合、差押日から抵当権者は当該抵当財産の自然果実または法定果実を受領する権利を有します。ただし抵当権者が返済の法定果実の義務者へ通知しない場合はこの限りではありません。ここの果実は、果実を収受する費用に先に充てなければなりません。

④複数抵当場合の弁済
同一財産を2以上の債権者への担保とする場合、抵当財産の競売、売却金額は次の規定に基づき弁済します。
第一に、抵当権が既に登録された場合、登録の先後順序に基づき弁済します。順序が同じである場合、
債権の割合に基づき弁済します。
第二に、抵当権が既に登録されたものは未登録に先立ち弁済します。
第三に、抵当権が未登録の場合、債権の割合に基づき弁済します。

⑤建設用地使用権抵当の場合の抵当財産
建設用地使用権を抵当した後、当該地に新たに増築された建築物は抵当財産に属しません。当該建設用地使用権に抵当権が実現される際、当該地に新たに増築した建築物と建設用地使用権は一括して処分しなければなりません。ただし、新たに増築された建設物所得の金額は、抵当権者に優先償還の権利はありません。

⑥土地所有権の性質や土地の用途の変更
土地請負経営権を抵当した場合、または郷鎮、村の企業の工場建物などの建築物の占有範囲の建設用地使用権を併せて抵当した場合、抵当権の実現後、法定の手順を経ずに、土地所有権の性質と土地の用途を変更してはなりません。

⑦抵当権の訴訟時効
抵当権者は主債権訴訟時効期間に抵当権を行使しなければなりません。行使しない場合、人民法院は保護を与えません。



Q16 最高額抵当権とは、どういうものですか?

A16 最高額抵当権の概念についてご説明します。 最高額抵当権の概念とは?

最高額抵当権とは、債務の保証を履行するために、債務者または第三者が、一定の期間内で連続して生じる債権に対して担保財産を提供する場合、債務者は債務期限が到来しても履行しない、または当事者が約定した抵当権が実現する要件を満たした場合、抵当権者は最高債権限度額内で当該担保財産の優先償還権です。最高額抵当権設定までに既に債権が存在する場合、当事者の同意を経て、最高額の抵当担保債権の範囲内で譲渡することができます。




Q17 最高額抵当権の規定について教えてください。

A17 はい、以下の通りです。

(1)最高額抵当権譲渡の禁止
最高額の抵当担保の債権の確定までに、一部債権を譲渡する場合、最高額の抵当権は譲渡してはなりません。ただし、当事者に別段の約定がある場合は、この限りではありません。

(2)最高額抵当権の変更
最高額抵当担保の債権確定までに、抵当権者と抵当権設定者は協議を通じて債権の確定期間、債権の範囲及び最高債権額を変更することができます。ただし、変更内容は、その他債権者に対して不利な影響を生じさせてはなりません。 最高額抵当権の規定について教えてください!
(3)抵当権者の債権の確定
次の要件の一つを満たした場合、抵当権者の債権は確定します。
  ①約定の債権確定期間が満了した場合。
  ②約定に債権の確定期間がない場合、若しくは不明確な場合、抵当権者または抵当権設定者は、
   最高額の抵当権が設定された日から2年後に債権の確定を請求する。
  ③新たな債権が生じることがありえない場合。
  ④抵当財産が、差押さえられた場合。
  ⑤債務者、抵当権設定者が破産を宣告された場合、または取消された場合。
  ⑥法律に債権の確定を規定するその他の場合。

最高額抵当権は以上の規定を除き、一般抵当権に関する物権法の規定を適用します。



Q18 これまで担保物権のうち抵当権についてご説明頂きました。
  今度は質権について教えてください。

A18 質権については、動産質権と権利質権がありますが、まず前者についてご説明しますね。

まず、動産質権の概念からです。
動産質権とは、担保とする債務を履行するために、債務者または第三者がその動産に質権を設定し債権者の占有とした場合、債務者が債務の期限が到来しても履行しない、若しくは当事者が約定した質権が実現する状況が生じた場合、債権者が当該動産の優先償還できる権利です。

ここでは、債務者または第三者を質権設定者とし、債権者を質権者とし、交付された動産を質権財産とします。また、質権設定者と質権者は最高額の質権の設定を協議することができます。最高額の質権は物権法における動産質権と最高額抵当権の規定を適用します。
次に動産質権の目的物についてお話します。 中国での質権について教えてください。
原則として、動産は動産質権の目的物にすることができます。ただし、法律、行政法規に譲渡を禁止する動産は質権を設定してはなりません。
動産質権の設定についてですが、質権を設定する場合、当事者は、書面の形式で質権契約を締結しなければなりません。質権契約には通常、①被担保債権の種類と金額、②債務者が債務を履行する期限、③質物の名称、数量、品質、状態、④担保の範囲、⑤質物の交付日時に関する条項を含みます。

さらに、質権者は債務履行期限満了までに、債務者が債務期限が満了したが履行しない際は、質物が債権者の所有に帰すると質権設定者と約定してはなりません。
質権は質権設定者が質物を交付した時に設定します。



Q19 質権者の権利について教えてください。

A19 以下の通りです。

①優先償還の権利
債務者が債務期限の到来後も履行しない場合、または当事者が約定した質権を実現する状況が生じた場合、質権者は質権設定者と、質物の換価を協議することができ、質物の競売、売却などの所得額で優先償還することもできます。質物の換価または売却は市場価格を参照しなければなりません。質物の換価、または競売、売却後、その価格が債権額を超過する部分は質権設定者の所有に帰し、不足部分は債務者が弁済するものとします。

②質物果実の収受の権利
質権者は質物の果実を収受する権利を有する。ただし契約書に別段に約定がある場合は、この限りではありません。

③質物の毀損や価値減少の場合の救済権利
質権者の責任に帰することができない理由で質物の毀損や明らかな価値の減少を招く恐れがあり、質権者の権利に損害を与えた場合、質権者は質権設定者へ相応の担保を要求する権利を有し、質権設定者が提供しない場合、質権者は質物を競売、売却することができ、かつ質権設定者と協議を通じ、競売、売却所得額を事前に債務弁済または供託することができます。質権者の権利とは?



Q20 質権者の義務について教えてください。

A20 はい。以下の通りです。

①質物損害場合の賠償責任
質権者は質権の存続期間に、質権設定者の同意を経ずに無断で、質物を使用、処分し、質権設定者へ損害をもたらした場合、賠償責任を負わなければなりません。そして、質権者は質権の存続期間に、質権設定者の同意を経ずに、質権を譲渡し、質権財産の毀損、消滅を招いた場合、質権設定者に賠償責任を負わなければなりません。
質権者の義務とは?
②質物の適切な保管の義務
質権者は質物を適切に保管する義務を負います。保管が不適切なことにより、質物が毀損、消失した場合は、賠償責任を負います。質権者の行為が質物の毀損、消失をもたらす可能性のある場合、質権設定者は質権者へ質物の供託、若しくは事前に債務の弁済をし、質物を返還するよう要求することができます。

③質物返還の義務
債務者が債務を履行した、若しくは質権設定者が事前に担保とした債権を完済した場合、質権者は質物を返還しなければなりません。

④質権行使の義務
質権設定者は、質権者が債務履行期限満了後、速やかに質権を行使するよう要求することができます。質権者が履行しない場合、質権設定者は人民法院へ質物の競売、売却を要求することができます。質権設定者が質権者へ速やかに質権を行使するよう要求する場合、質権者の権利の行使の怠慢により損害をもたらした場合、質権者が賠償責任を負います。



Q21 質権は放棄できますか?

A21 質権者は質権を放棄することができます。債務者が自身の財産に質権を設定し、質権者が当該質権を放棄した場合、その他保証人は質権を喪失した優先償還権の範囲内で、担保責任を免除します。
質権を放棄しちゃえ!!そうはさせませんよ!
ただし、その他保証人が依然として担保の提供を承諾した場合は、この限りではありません。



Q22 質権の中の権利質権について教えてください。

A22 質権とは、債権・株式などの財産権に設定される質権です。
以下、権利質権の目的物、権利の範囲についてお話しましょう。権利質権について教えてください
債務者または第三者が処分する次の権利に質権を設定できる権利を有します。

①為替手形、小切手、約束手形、
②債券、預金証書、
③倉庫証券、貨物引換証、
④譲渡することができるファンド、株式権利、
⑤譲渡することができる登録商標専用権、特許権、著作権などの知的財産権における財産権、
⑥売掛金、
⑦法律、行政法規の規定に出資できるとするその他財産権利。


Q23 手形への権利質権の設定について教えてください。

A23 為替手形、小切手、約束手形、債券、預金証書、倉庫証券、貨物引換証に質権を設定する場合、当事者が書面による契約書を締結しなければなりません。質権は質権者へ権利証書が交付されたときから設定されたものとします。権利証書のない場合、質権は関連部門で質権設定の登録を行なったときに設定されたものとします。
手形への権利質権の設定について教えて!
為替手形、小切手、約束手形、債券、預金証明書、倉庫証券、貨物引換証の現金化した日または貨物引き換え日に先に主債権が到来した場合、質権者は現金化または貨物の引き換えができ、併せて質権設定者と現金化した価格または貨物を引き換えた価格で債務を弁済する、または供託するものとします。

 


Q24 ファンド・株式権利への権利質権の設定について教えてください。

A24 ファンド、株式権利で質権を設定する場合、当事者は書面による契約書を締結しなければなりません。ファンド、証券の登録決算機関で登録した株式権利で質権を設定する場合、質権は証券登録決算機関で質権設定の登録をした時に設定されたものとします。その他株式権利で質権を設定する場合、質権は、工商行政管理部門で質権設定登録の手続きをした際に設定します。ファンド、株式権利に質権を設定後、譲渡してなりません。
ファンドや株式権利で質権を設定したから、書面で契約書を締結しました♪何か問題を起こさなければいいのですが・・・。
ただし、質権設定者と質権者で同意を経た場合は、この限りではありません。質権設定者はファンド、株式権利を譲渡することにより得た所得額を、質権者へ事前に債務の弁済または供託しなければなりません。



Q25 知的財産権への権利質権の設定について教えてください。

A25 登録商標の専用権、特許権、著作権などの知的財産権における財産権に質権を設定する場合、当事者が書面による契約書を締結しなければなりません。質権は関連主管部門で質権設定登録の手続きをした際に設定されたものとします。知的財産権における財産権に質権を設定後、質権設定者は譲渡してならず、また他人に使用を許可してはなりません。同意してるから譲渡してもいいのよね?なぜ私のところに質権が!?

ただし、質権設定者と質権者で同意を得た場合は、この限りではありません。質権設定者は質権を設定した知的財産権を他人に譲渡する、または他人に使用させることにより得た所得額を、質権者へ事前に債務の弁済または供託しなければなりません。



Q26 売掛金への権利質権の設定について教えてください。

A26 売掛金に質権を設定する場合、当事者は書面による契約書を締結しなければなりません。質権は貸付調査機関で質権設定登録を行った際設定されたものとします。売掛金に質権を設定した後、譲渡してはなりません。ただし、質権設定者と質権者で同意を経た場合は、この限りではありません。質権設定者が売掛金を譲渡した金額は、質権者へ事前に債務の弁済をしなければならず、または供託しなければなりません。 またまた質権の契約書を作ってもらったよ♪

権利質権は以上の規定を除き、物権法における動産質権の規定を適用します。 また勝手なことをしてますね!



Q27 担保物権のうち、留置権について教えてください。

A27 留置権とは、債務者が、債務期限が満了したが履行しない場合、債権者は既に合法的に占有している債務者の動産を留置することができ、かつ当該動産の優先償還できる権利です。ここの債権者を留置権者とする場合、占有の動産を留置権のある財産とします。

債権者が留置した動産は、債権と同一の法律関係に属さなければなりません。ただし、企業間の留置の場合は、この限りではありません。法律に定める、または当事者の約定に留置してはならないとする動産の場合、留置してはなりません。

留置財産の価値についてですが、留置財産が分割可能なものである場合、留置財産の価値は債務の金額と相応でなければなりません。 ごめんなさい…留置権について教えてください。



Q28 留置権者の権利・義務について教えてください。

A28 まず留置権者の義務についてお話します。以下の通りです。
(1)留置財産の適切な保管の義務
 留置権者は、留置財産を適切に保管する義務を負います。保管が不適切で留置権財産が毀損、
 消失した場合は、賠償責任を負わなければなりません。

(2)留置権行使の義務
 債務者は留置権者へ債務履行期限満了後、留置権を行使するよう請求することができます。
 留置権者が履行しない場合、債務者は人民法院へ留置財産の競売、売却を請求することができます。

(3)債権額超過部分の返還の義務
 留置財産の換価または競売、売却後、その価格が債権額を超過した部分は、債務者の所有に帰し、
 不足部分は債務者が返済するものとします。 留置権者の権利・義務について教えてください。
次に留置権者の権利についてお話しますね。以下の通りです。
(1)債務の優先償還権
留置権者と債務者は財産留置後の債務履行期限を約定しなければなりません。約定のない場合若しくは不明確な場合、留置権者は債務者へ2ヶ月以上の債務履行期限を与えなければなりません。ただし、生鮮物で腐敗しやすいものなど保管に適さない動産は、この限りではありません。

債務者が、期限を過ぎても履行しない場合、留置権者は債務者と留置財産の換価を協議でき、留置財産の競売、売却額を優先償還することができます。留置権財産の換価、または売却は市場価格を参照しなければなりません。同一の動産上に既に抵当権または質権が設定され、当該動産が留置された場合、留置権者は優先償還の権利を有します。

(2)留置財産果実の収受の権利
留置権者は留置財産の果実を収受する権利を有します。この果実は、先に果実を収受する費用に充てなければなりません。
なお、留置権者は留置財産に対して占有を喪失した場合または留置権者が、債務者が別に保証を提供したものを受け入れた場合、留置権は消滅します。



Q29 「占有」に関する法律の規定と契約書の約定とどちらが優位しますか?

A29 契約関係などに基づき生じた占有の場合、関連不動産または動産の使用、収益、違約責任などは、契約書の約定に従います。ただし、契約書に約定のない場合、または約定が不明確な場合、関連する法律の規定に従います。 占有に関する法律の規定と、契約書の約定はどちらが優位しますか?



Q30 占有者の義務について教えてください。

A30 はい。以下の義務を有しています。
占有者の義務には何がありますか?
1 悪意占有者の損害賠償責任
占有者が占有する不動産または動産の使用により、当該不動産や動産が損害を受けるに至った場合、悪意の占有者は損害賠償を負わなければなりません。 悪意占有者の損害賠償責任。原物及びその果実の返還義務、保険金・賠償金・補償金の返還義務があります。

2 原物及びその果実の返還義務
占有者が不動産や動産を占有する場合、権利者は原物及びその果実の返還を請求することができます。ただし、善意の占有者が当該動産や動産を保護するために支払った必要費用を支払わなければなりません。

3 保険金、賠償金、補償金の返還義務
占有不動産や動産が毀損、消失し、当該不動産や動産の権利者が賠償を請求する場合、占有者は、毀損、消失により得た保険金、賠償金または補償金などを権利者へ返還しなければなりません。権利者の損害が補充に足りない場合、悪意の占有者は損失を賠償しなければなりません。



Q31 占有者の権利について教えてください。

A31 はい。以下の権利を有しています。
占有者の権利について教えて~
1 現物返還の請求権
占有不動産や動産が侵奪された場合、占有者は現物の返還を請求する権利を有します。占有者の現物返還の請求権は、侵奪が生じた日から1年以内に行使されない場合、当該請求権は消滅します。 現物返還の請求権、妨害排除や危険除去の請求権、損害賠償の請求権があります。

2 妨害排除や危険除去の請求権
占有を妨害する行為の場合、占有者は、妨害を排除する、若しくは危険を除去することを求める権利を有します。

3 損害賠償の請求権
侵奪または妨害により損害が生じた場合、占有者は損害賠償を請求する権利を有します。